登録したBMS (1件)
投稿したインプレ (7件)
オカルトとエゴ
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昨今のBMSのシーンはイベントを中心に成り立っていますが、私がイベントの外で出されたBMSを愛している主な理由はこのような力作に出会える所にあると考えています。
曲、譜面、BGA(連番!)の全てが非常に個性的で、イベントでは中々お目にかかれないようなアングラさがここぞとばかりに作品から滲み出ているのがとても好きです。オカルティックで薄寒さを感じさせられながらも、どこか高揚感、ときに哀愁を覚えさせられるこの作品は余程練られていなければ作れない代物であると考えると同時に、自分の好きなように作品を作るということがどれほど素晴らしいことなのかが改めて知ることが出来ました。
このような強烈な個性を放っている作品はイベントで出されれば伸び悩むのかもしれませんが、ここでは違います。実際私は作品全体を通して極めて強い説得力を伴っているこの作品の姿勢を大いに尊敬しており、その点でこの作品を愛しています。
技術的に盗みたくなるものがあったかといった視点を考慮して8点にしていますが、それでもなおこの作品が投稿されたことについて非常にポジティブに見ています。今年初めて心の底から好きになったBMSです。素晴らしい作品をありがとうございました。
8/10
...Wow
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クリスマスという日に久々にSAN値の下がるBMSを見れたような気がします。
この作品の世界観はパラレルワールドということもあってか、かつて無名戦で出されていた「OR」のような陰湿さを感じさせられます。しかし、音の使い方は明らかに異なっていて、効果音の使い方から分かるように、コンスタントでストイックな印象があるのがこの作品の特徴といった所でしょうか。その上で陰湿さを演出することに成功しているので、これはこれでかなり興味深いと思います。
BGAはアングラ感があり、16進数の暗号を通した意味ありげなメッセージが散りばめられているのが特徴的ですね。この作風はかなり心当たりがある方が居ますが、正直同一人物だとしたらいつも以上にジメジメしているように感じます。加えてAIによって生成された不気味な画像が時折フェードインしているので、それがこの作品の印象を前に押し出しているように思えます。確か誰かが「こういう画像はある意味使えるかも」と言っていたような気がするようなしないような。
ともかく終始ジメッとした不気味な作品で、恐怖を体感するには全然事足りている印象ですが、やや繰り返しが多く単調である為にこの作品の味が少々損なわれてしまっているように感じた点がかなり惜しく感じました。それも込みで作品の味だと言えばそれまででしょうが、少々もったいなく思ってしまった点なので、この点数にさせてください。
6/10
A Lullaby of the Seabed and Marine Snow Falling Down on Atlantis
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この作品は恐らく直近のイベント(Blessed Magical Story)に出されていても、間違いなく高い評価を得ていたのではないかと個人的には思います。
展開自体は抑制的で地味な印象を受けさせられますが、その地味さが良い具合に昇華されており、この類の曲にしては珍しく、終始落ち着いた感情にさせられます。
しかしながら、淡い情感を感じさせられるメロディや、3拍子に絡みつく無機質なドラム、終始漂い続けるピアノのバックトラック、泡のように消えては現れるアルペジオのシークエンスなどといった一つ一つの要素がこの作品の味を非常に良く整えているようで、とても興味深いです。
個人的に好きなのは0:45辺りに転調して、一旦抑制的になってからのペンタトニックが映えるメロディ(0:55)で、このメロディがあるお陰でこの作品に程よい緊張感を与えれているように思えます。
必要以上に技が使われていない、飽きない作品というのも現状中々少なくなってしまったものだと思いますが、この作品ではそのような試みが成功していると思います。
海の底から段々と離れていくような楽曲の終わり方も非常に良く、この作品の余韻を十分に噛み締めることが出来るのがまた良いです。
ともかく、あくまでも作り自体はシンプルで、革新性が大いに見られる作品というわけではありませんが、非常に構成力に優れており、シンプルさ故の良さが十分に伝わる作品であるとこの作品から感じさせられ、その部分において多大な感心を抱かざるを得ない作品であると個人的には感じさせられました。
8/10
Y2K Style Cyber Trance
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I like this song's vibe, it's like BMS work from y2k (SHIKI style?).
And cyber sound with modern interpretations is very nice (especially, the arpeggio sequence).
So, it's a very good piece though, but I think the piano from the last part of the song is a bit thin.
Therefore, I recommend adding more reverb and delay to the piano for the sake of making thicken the space.
But, it's a nice piece and I enjoyed this piece sufficiently.
7/10
PAUSE (or BREAK)
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必要以上に展開させないミニマルな楽曲体制や、それを端的に表したBGI、その他楽曲をポーズさせる発想自体は非常に興味深く感じさせられ、この作品の魅力となっていると思います。
しかしながら、その要素が存分に活かされていない印象も同時に感じさせられるのが正直な所で、そこの所がどうしても勿体無く感じてしまいます。
同様にこのようなミニマルな感触を持つ楽曲というのもありますが(Neu!「Hallogallo」、6yen「Bolero」など)、それらはベクトルはそれぞれ違えども最低限の変化をしっかりと施しているからこそ興味深さが生まれるのであって、この作品からもポーズという要素が修飾的な要素として一定の興味深さを演出させていますが、軸となる曲そのもの自体の変化はあまり見られず、少々印象が弱いような気がしてならないです。
こういった音楽は一つ軸となる部品に対しての可能性、或いは陶酔感を感じさせなければ成立しないと感じており、そういった意味では個人的にこの作品よりも「Domino」の方が圧倒的に優れているのではないのかと思います。
but this is just my opinion
2/10
前衛音楽の世界へようこそ
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タイトルの通りです。取り敢えず前衛音楽の世界へようこそ。
これと似たような趣向を持っている作品は他のBMS作品にもあるものですが(「踊り子、飛行機のプロペラ、海」や「虹微笑×1肌色扇情扇情」など)、それらとはまた別の味が存分に発揮されていて、独創性のある作品に仕上がっている印象です。
インダストリアル的なシンセサイザー(?)のドローンや、中間地点の無秩序なコラージュ、終盤の盛り上がり方などがとりわけ魅力的な作品で、定石に囚われないこの作品体制には目を瞠るものがあると個人的に思います。
伸びしろがまだまだありそうな気がしますので、例えば似たような趣向の作品を作っていそうなDeath Gripsとか、BMSで言えばtarolabo氏の作品等を参照して、盗めそうな所を盗んでやると、さらにこの味が引き立つようになると思います。
相当な意欲作ですが、終盤に入るシンセサイザーが少し味気ない感じがするのが正直かなり気になった所です。
このような作品なので思い切ってフレーズをかなり変則的にしたり、音を暴力的にしてみたりするとさらに魅力が増すのではないかと思われます。
いずれにしても、人を選びそうな作品ではありますが、個人的には全然楽しめる作品だと思いました。
6/10
Solid!
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何よりもまずはアナログライクな音色が魅力的だと思います。
この手の音色も一昔前のBMSではよく見られたものでしたが(tarolabo「四ノ虚数」など)、最近ではめっきり見なくなってしまったものなのでそういった意味でこの作品からはやや哀愁深いものを感じさせられました。
そして、無難な構成ながらも叩いていて気持ちの良い譜面も面白く、特にスネアロールを乱打する部分は何度もやってみたくなるぐらいの中毒性があると思います。
その辺りで見て良い作品ではあるのですが、この作品に対して若干言うなればサウンド・スケープ(と言うよりかはアンビエンス的な音)がやや薄い感じがするお陰で、トランスと言えるかが微妙なラインになってしまっているのが気になる部分です。
個人的には音の運び方がトランスのそれと通ずるものがある為(アルペジオ的なシーケンスなど)、その部分に焦点を当てるなればトランスであると認識出来るものですが、いずれにしても他のトランスの作品と比較してみると催眠性(言い方を変えれば陶酔感?)に欠けてしまっているような気がします。
この作品に似ている趣向の作品としてSHIKI「Angelic Layer」などが挙げられますが、それに倣ってディレイまたはリバーブを大袈裟に感じるぐらいに足してやると、その辺の要素も際立ってくると個人的に思います。
いずれにしても、音の運び方はやはりかなり上出来だと思います。初制作ということでかなり戸惑った事かと思われますが、しっかりと要点を掴めている感じは見て取れる上に、音色からある種のオリジナリティも感じさせられ、中々興味深い作品になっていると思います。
かなりどうでも良い話ですが、個人的に一番好きなトランスの曲はTaishi「Imitation of Our History」です。
13分程度とかなり長い作品ではあるのですが、(今後トランスの曲を作るなら)学べる要素は多いと思うので、興味があれば聴いてみるといいと思います。
5/10